行政改革 administrative reform 2003 6 10

 行政改革について調べていたら、こんな資料がありました。
国よりも、地方の方が行政改革が進んでいるということでした。
議長型の首相よりも、大統領型の知事の方が、
強力なリーダーシップを発揮できるのでしょう。
 資料によると、具体的には、県を例に挙げれば、
県には、国の省庁にあたる、部という大きな組織があります。
この部を統廃合した例がありました。
 従来は、衛生部と福祉部という2つの大きな組織がありましたが、
この2つの大きな組織を統合して、
健康福祉部として、スリム化を図ったのです。
 この統合がうまく行ったことで、さらに行政改革を推進しようとしました。
今度は、A部とB部の統合でした。
A部は、技術者が多い部門でした。
B部は、事務屋が多い部門でしたが、専門家集団でした。
しかし、A部もB部も、分野は違うけれど、
目的は同じ業務をしていましたので、統合が可能でした。
 しかし、この統合計画は、中止となりました。
国との関係で、統合が困難なことがわかったのです。
A部に対応する国の機関は、A省でした。
B部に対応する国の機関は、B省でした。
ですから、県がAB部を作るには、
国の方も、AB省になる必要があるのです。
 地方で行政改革と進めようとしても、
国が行政改革をしないと、地方はやりにくい例として、
資料にはありました。
 さすがに国に先んじて、行政改革をしてしまうと、
国の立場がなくなるかもしれませんね。
 さて、消費税のアップや年金の引き下げなどの議論がされています。
国の財政状況がきびしいので、そうせざるを得ないのかもしれません。
 しかしながら、そうすることで、消費は低迷し、さらに税収が減ります。
そして、国の財政状況が、さらにきびしくなります。
このように悪循環に入ってしまいます。
 このような改革は必要でしょうが、まだ肝心な改革は手をつけていません。
肝心な改革をしないと、意味がありません。
 この悪循環に入る前に、水ぶくれになった政府機関をスリムにする必要があります。
この水ぶくれになった政府機関をスリムにしないと、
いつになっても、お金が不足して、増税や福祉の切り捨てをすることになります。
 国としては、過剰な福祉の切り捨てもあるのでしょうが、
その前に過剰な政府機関も切り捨てる必要があります。
 この行政改革で、モデルになるのは、上杉鷹山が行なった行政改革です。
上杉鷹山が藩主になった時、藩の財政は危機的状況にありました。
にもかかわらず、無駄な出費が多かったのです。
 藩が危機的状況なのに、藩士である武士達は会議に明け暮れ、
何もかも、合議で決めないと事が進まない有様でした。
さらに、藩のいろいろな組織が大きくなりすぎて、身動きが取れなくなっていました。
また、藩の財政は危機的状況にもかかわらず、
会議にはお金と時間をかけ、出張にもお金をかけていました。
しかも、藩士である武士同士の縄張り争いが激しかったのです。
農作物が不作で農民が苦しむなか、さらに年貢をアップしようとしました。
 そこで、上杉鷹山が藩の大改革を断行したのでした。
しかしながら、上杉鷹山が藩の大改革が推進できたのは、
現代の国会のような族議員がいなかったから、
大改革ができたかもしれません。
 現代では、改革を進めようにも、危機感を感じた官僚である藩士が、
族議員に改革を阻止してもらいますので、大改革は無理かもしれません。